運輸業に従事する人のつぶやき

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m-SHELLモデルを使ってヒューマンエラーを分析してみる

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こんにちは、でみすぽです。

前回はm-SHELLモデルについて概要をざっくり紹介してまいりました。

mazdan17-traffic.hatenablog.com


今回は、m-SHELLモデルを使いヒューマンエラーを分析していきたいと思います。


ヒューマンエラーは原因ではなく結果である。


この考え方は、安全文化構築には欠かせません。
ヒューマンエラーが発生した要因を正しく把握し分析することは文化構築に有意義であるという訳です。
そこで、ヒューマンエラーの発生要因を分析する手法を前回と今回で紹介していきますのでぜひ参考にしてみてください。

ケーススタディ

あなたが電車の運転士だったとして・・・


カーブに対する制限速度をオーバーしてしまった


ことを例にm-SHELL分析をしていきたいと思います。

概況

季節:冬
時間:昼過ぎ
天候:晴天

カーブに対する制限速度80km/hを、昼下がりの眠気により当該カーブに対するブレーキ操作を失念してしまい、10km/hオーバーの90km/hで進入してしまう。

考えられる背後要因を分類

ここで今回の事象に対する背後要因を洗い出してみましょう。

m:management

運転士はサラリーマンですから会社に属していますし、細かく見ていくと乗務員区所という部署に所属していると思います。
その会社や区所の方針がヒューマンエラーを起こしやすい職場の風土であるか、ここで抽出します。

例えば・・

・列車に遅れを生じさせると減給などの処分があるといった人事制度を運用している
・処分はないけれども、負担になるヒアリングの実施やレポートを提出させる
・休憩時間を十分に確保せず、パフォーマンスを発揮できないような心身状態を乗務員に強いている
・少しぐらいの速度オーバーを許容する風土がある

などが挙げられます。

今回のケースで考えられるのは

労務管理がハードで十分な休憩が与えられておらず、疲労により眠気を誘発させやすくしていた

が考えられます。

S:Software

制限速度に対するアプローチのルールや仕組みがあるかどうか、あっても機能しているか抽出します。

例えば・・

(直接的には)
・制限箇所に対してブレーキをかけずに済むような運転操縦方法がない
・制限箇所に対して予め制限速度を喚呼する、基本動作が定められていない

(間接的には)
・制限速度を守らないとどのような危険があるか教育する機会がない

などが挙げられます。

今回のケースで考えられるのは

眠気の前兆が現れたときにどうするかというルールが定められていない

が考えられます。

H:Hardware

制限速度に対してフォローするシステムや機械について抽出します。

例えば・・

(直接的には)
・自動運転やATC、ATO、ATS-Pであれば自動的にブレーキをかけてくれる保安装置が未導入

(間接的には)
・カーブが接近していることを注意喚起する看板や注意啓発システムが導入されていない

などが挙げられます。

今回のケースで考えられるのは

カーブに対して自動的に減速させる保安設備がついていなかった
眠気に対しての注意喚起システムがない

が考えられます。

E:Environment

作業環境がエラーに関係していないかを抽出します。

例えば・・

・閑散線区で運転の障害になりやすい外的要因が発生しにくい
・乗客が少なく、業務に対する緊張感が欠如しやすい(オンオフの切り替えポイントのハードルが下がる)

などが挙げられます。

今回のケースで考えられるのは

乗務員室のヒーターが絶妙過ぎてポカポカして眠気を誘発させてしまった

が考えられます。

L:Liveware(周辺)

友人、同僚、家族、上司などがエラーに関係していないか抽出します。

・みんなオーバーしている。日常茶飯事。
・直属の上司によるプレッシャーでパフォーマンスが最大限発揮できない

今回のケースで考えられるのは

なし

としておきましょう。

L:Liveware(自分)

自分自身gなエラーに直接的に関係していないかを抽出します。

例えば・・
・知識不足
・スキル不足
・公私両方、または別々にストレスがある
・悩みごとがあって、他事を考えてしまう

などが挙げられます。

今回のケースで考えられるのは

昨日遅くまでスマホゲームをしてしまい、睡眠時間をあまり確保できなかった

ことが考えられます。

ポイント

これがあれば防ぐことができたのではないか?

という点を重き、当事者の観点で考えて抽出することが大事です。
ヒューマンエラーは当事者の視点にたって考えることが非常に大事になので正直に素直にあぶりだしましょう。

抽出したら・・

抽出したエラーの背後要因に対して効果を発揮する対策が必要です。すべての背後要因に対して対策を講ずるのがベターですが、十分なリソースがない場合は最も効果的で本質をついた対策を講じます。根本的に速度超過を無くすのであれば、ATOやATC、自動運転で自動制御するのが適当であると思いますが、導入するにもお金がかかります。
ですから今回のケースでいえば

L:夜更かししないということ
m:十分に休憩時間を確保して疲労具合をコントロールする

ことが大切なのかなぁと思います。